保険診療と自由診療

保険診療と自由診療

考える

病院の診察代や、薬局で処方される薬代。「意外と安いな」と感じる人も多いかもしれません。
これは日本が「国民皆保険制度」を導入しており、私たちがその恩恵にあずかっているためです。

多くの医療サービスは、この制度によって3割負担で済む「保険診療」ですが、中には全額負担となる「自由診療」もあります。
私たちがいつも意識せずに活用している保険について、改めて考えてみましょう。


国民皆保険制度とは?

すべての国民が何らかの医療保険に加入し、病気やケガの治療において公的な給付を受けられるシステム、それが国民皆保険制度です。
日本はこれを導入していますが、他の国ではかならずしもそうではなく、国によってさまざまな制度を設けています。

日本においては1955年ごろまで、国民の約3分の1が何の保険にも入っていない状態でした。このことが問題視され、1958年には「国民健康保険法」が制定、続いて1961年には全国で本格的に国民健康保険事業がスタート。誰もが平等に医療を受けられる時代になりました。

病院では毎月初回の診察時に、保険証の提出が求められますが、これは医療機関側が一か月単位で受給資格の確認をしているためです。日本では、どのような種類の公的保険でも「3割負担」が基本となっています。

社会保険の場合、給与から保険料が天引きされますが、国民健康保険に加入している場合は自分で支払う必要があるため、長期間保険料を滞納すると保険が適用されないこともあります。


保険のきかない自由診療とは?

一方、病院で受ける医療の中でも10割負担、つまり全額自費負担となるのが自由診療です。

たとえば美容整形や不妊治療、歯列矯正、ED治療、医療脱毛などが代表的ですが、がん治療の中でも「先進医療」と呼ばれる最先端の技術を受ける時には、保険の適用外となることがあります。

基本的な考え方としては、疾病ではないもの、健康を回復する治療ではないものは保険診療の対象になりません。先進医療も、新しい技術だけにまだその有効性が十分確認されていないことから、保険適用を見送られている状態です。

しかし、たとえば「禁煙外来」が2006年から保険適用になったように、常に事情は変わっているため、現在は自由診療の医療サービスも数年後は分からないといえます。

その他、保険診療と自由診療を組み合わせて提供する「混合診療」もありますが、日本では原則として法律で禁じられています。ただし、実際は歯科などで黙認されているのも事実です。