保険診療と自由診療

アジア各国の保険制度

日本の国民皆保険制度は、優れたシステムであると世界でも定評があります。 すべての国民が収入に関わりなく安心して医療を受けられるシステムは、国民の健康に大きく貢献し、現在の長寿大国の一翼を担っているのではないかとも考えられています。

近年では、アメリカがついに医療保険制度について本格的な議論をはじめるなど、医療保険の必要性は世界の共通認識となってきています。 では、近隣諸国、アジアではどのような保険システムが行われているのでしょうか。


強制加入が原則の国

日本と同じように、国民が強制的に医療保険に加入するシステムを採用している国は、韓国と台湾です。

負担金の額や患者が病院に支払う割合などは国によって異なりますが、月々の医療保険負担金が高い国では、病院の窓口で支払う一時金が安くなっており、いずれも公平性の高いシステムとなっているようです。


保険制度がない国

逆に、日本のような国民保険制度のないのがマレーシア、シンガポールです。 マレーシアでは保険がない代わりに、政府が運営する病院があり、そこで治療を受ければただ同然のような金額で治療を受けることができます。

治療費は各病院が自由に決めるため、私立の病院では高額な治療費を要求されることもありますが、その代わりに手厚いサービスも受けられるため、お金がある人は私立の病院へ行くことの方がおおいのだとか。

シンガポールでは、国民保険の代わりに医療積立金制度があり、各自が将来、自分が使う医療費を口座に積み立てていくシステムを採用しています。この積立金は本人とその家族のみが使うことができるもので、ここが健康保険と大きく違う点です。

手術など高額な治療を受ける際にここからお金を引き出すことになりますが、低所得者など積立金が十分でなく、費用を賄いきれない場合は、政府が70%まで補助金を出すなど貧困層でも必要最低限の医療が受けられるよう、複数のシステムが用意されています。


健康保険システム整備中?

インドネシアでは、2014年に国民皆保険を目指した新たな健康保険制度がスタートしています。これまでは複数に分かれていた健康保険を一本化し、さらにこれまでは加入の義務がなかった層も取り込んで全国民対象の健康保険とし、2019年までに100%の加入を目指しています。

保険料は収入に応じて増減し、病院そのものはキャッシュレスで利用することができます。ただし、保険料が高い層であれば入院時に個室が使えるなど、金額に応じて利用できるサービスのグレードを変えているようです。 ただし、指定病院以外の利用は全額自己負担となるなど、一定の決まりがあるようです。

また、フィリピンでは健康保険が整備されており、さらに加入率も80%を超えた時期もありましたが、システムそのものがきちんと管理されているとは言いがたく、現状ではどの程度の加入率なのかを調べるのは困難のようです。

また、薬価が物価に比べて異常に高く、さらには病院にも定価が存在せず、患者により医療費を変えるような国柄であるため、安心して医療を受けるにはそれなりの収入が必要となっています。 保険制度にあわせて医療制度の整備も今後の課題となっているようです。

日本の制度も確かに素晴らしいですが、世界の保険制度の中にはさらに合理的なものも存在するようで、良い部分は積極的に取り入れてほしいものです。