保険診療と自由診療

美容目的か、そうでないか?

審美的な治療に保険がきかないことは広く知られています。それは健康を取り戻すというより、美しさを目的としたものだからです。 しかし、たとえば歯科治療に用いられる「銀歯」のアレルギー問題など、一般的にみて美容目的とは一概にいえないものも含まれているのは事実です。実際、乳がん治療後の乳房再建手術が、2013年7月から保険適用となりました。


美容整形

二重まぶたにする手術や、脂肪吸引、シワやシミを薄くする治療など、美容整形での治療費が自由診療となることに異議を唱える人はほとんどいないでしょう。

ただし、たとえば何らかの事故や火傷などで顔にキズを負った場合、皮膚科や形成外科において保険適用でおこなえる治療には限界があります。特に女性の場合は、よりキレイに仕上げるために、自由診療の美容外科を受診する人もいます。

すべての人が「もともとの顔の造りが気に入らないから」「もっと美しくなりたいから」という目的で治療を受けるのではない、ということです。しかし、このあたりの線引きは難しいのが現状です。


歯科治療

歯科における審美的な治療といえば、セラミックの被せ物や歯列矯正などが代表的です。歯列矯正は、噛みあわせが非常に悪い場合など、一部の症例では保険が適用となりますが、ほとんどは自由診療となります。

セラミックについては、明らかに見た目の問題であると感じる人は多いものです。しかし実際は銀歯に使われる「金銀パラジウム合金」にアレルギーをもつ人もいます。その場合も保険適用はされないため、高額な費用を払っても他の素材にせざるを得ない人もいるのです。


乳房再建

乳がんの手術で乳房を摘出した女性では、その後に人工乳房を再建することがあります。ブラッド・ピットの奥さんであるアンジェリーナ・ジョリーがおこなったことでも知られていますね。

これも美容目的とみなされ、長らく自由診療という扱いでした。総額にして100万円近くはかかりますので、患者さんにとっては大きな負担となっていました。 しかし厚生労働省は2013年7月から、乳房の全摘出をおこなった女性に限り、保険診療とすることを決定しました。これなら3割負担で済みますし、高額療養費制度を活用することもできます。

「乳がん手術後の乳房再建は、美容目的ではない」ことが認められた形となります。このように、今は自由診療でも数年後には分からないものもまだまだありそうです。