保険診療と自由診療

医療の集約化は医療費削減に繋がるか

最近、地域の基幹のような大きな病院では、飛び込みで診察が受けられないことがあります。 これは初診の場合、紹介状が必要なためなのですが、その目的の一つには風邪などの軽い症状でこうした病院を受診する患者を減らすことがあるのです。

来院者が増えすぎると、待ち時間が長くなる一方で診察時間が短くなるのが一般的です。以前は大きな病院にかかると「3時間待ちの3分診療」が当たり前で、患者側からの不満が多く聞かれたものでした。

そこで、紹介状制度を導入することで本当に必要な患者に適切な医療を提供できる体制を整える病院が増えてきたのです。


特定機能病院の役割とは

特定機能病院とは、すなわち専門的な医療を受けられる病院を意味します。 硬度最先端医療の設備があり、最低でも10以上の診療科がなければ認定されないことからも、その特殊性が想像できますよね。

つまり、言葉は少々よくありませんが、「町医者では手に負えない、あるいはより精密な検査が必要な患者の診察・治療を行うところ」なのです。

ところが、日本人に限らず「大きな病院の方が信用できる」とばかりにただの風邪でもこうした病院にかかろうとする人は少なくありません。

その結果、常に混雑し、医師を始めとするスタッフは疲労困憊、患者は待ち疲れてますます具合が悪く…という悪循環が発生しかねないのです。


医療を提供する側とされる側がWIN-WINの関係になるように

かつては医師は雲の上の存在のように崇められましたが、最近では医療も広義のサービス業という考え方から、対等に接することを求められるようになってきています。 また、ネットに普及により医療従事者そこのけの知識を有する患者も増えてきました。

受診前に自分の症状から疑われる疾患名や治療法、場合によっては手術の方法から予後などについても調べ上げてくる人もめずらしくないそうです。 患者はそれだけ不安を感じており、医師の的確な診断を求めているのでしょう。

それなのに多すぎる患者をさばくために医師側はどうしても流れ作業的対応を余儀なくされたり、3分診療では充分な医療を提供できるとは言い難いですよね。

そのためには患者側が節度ある受診を心がけることも大切です。 海外では、初めから一定以上の規模の病院を受診する時は自己負担率が高くなる国もあるそうです。 双方にストレスのない、最適な医療のためにはそうした方策も「あり」と言えるかもしれません。


医療費にはどう関わってくるか?

紹介状を書いてもらうには患者はまずかかりつけ医などの医療機関を受診しなくてはなりません。 診察の結果、より高度な医療や検査が必要となって初めて大きな病院へ行くわけですから、初診料などの基本的な診察料は倍かかるわけです。

最近は地域の病院同士の連絡がしっかりしていますので、地元のかかりつけ医でレントゲンを撮影したのに特定機能病院や基幹病院でまた撮られた…というような二度手間はありませんが、やはり煩雑と感じる人はいるでしょう。

しかしこの場合、かかりつけ医=開業医は「総合診療医」という位置づけになり、慢性的または命に関わる恐れのない急性期の患者の治療や、過剰な診察を防止する(医療費を削減する)役割を担ってもいますので、決してムダなものではないのです。