保険診療と自由診療

日本の保険制度を守るために~ジェネリック医薬品を活用する

経済危機を迎えている日本の保険制度。それを少しでも守るために、国が近年力を入れているのが「ジェネリック医薬品」の普及です。私たちが積極的に薬をジェネリックに切り替えていけば、医療費の節約につなげることができます。


保険制度を守るため、ジェネリックの積極的な利用を

病院で処方される薬にも、もちろん保険料や税金が使われています。調剤薬局で薬を受け取る際、数種類もらっても千円かからないことが多く「意外に安い」と感じますが、それもそのはずで、患者さんは2~3割しか支払っていないからです。

この薬剤費の節約に大きく役立つのが、後発医薬品(ジェネリック医薬品)になります。特許の切れた薬と同じ成分を使って作られた、同じ効能を持つ薬で、開発費用を抑えられるために薬価が低く設定されています。

もしも国民みんなが薬をジェネリックに切り替えれば、年間1兆円の節約ができるともいわれているほどです。

ところが日本では保険制度が充実しているため、ジェネリックに切り替えてもそれほど安さを感じないという問題があります。「それくらいしか違わないなら、使い慣れた先発薬のほうがいい」と思ってしまうのです。

しかしここで忘れてはいけないのは、「実際は自分が支払っている以上のお金が、保険料や税金で賄われている」ということです。たとえば調剤薬局で500円払ったとすると、その後ろでは1,000円以上のお金がよそから支払われています。

国の医療費が大変なことになっている今、私たちにはそういう考え方が求められているのです。


ジェネリックを普及させたい、国の本気

国も全力を挙げて、ジェネリック医薬品の普及に取り組んでいます。たとえば処方箋の様式を変更して、医師がジェネリック医薬品を処方しやすくしたり、ジェネリックを出した薬局にインセンティブをつけたり、といった工夫です。

また2014年4月におこなわれた薬価改定では、新しく発売されるジェネリック医薬品の価格がさらに引き下げることになりました。ジェネリックの発売時価格は先発薬の7割に設定されていたのですが、それを5割程度にまで引き下げることになったのです。 これは「半額くらいなら、ジェネリックにしたい」という患者さんが多かったためだといわれています。

さらにジェネリックへの切り替えが遅れている先発薬については、その価格を引き下げることも決定されました。これによって製薬会社に儲けが出にくくし、次なる新薬の開発をうながす狙いがあるようです。

ちなみに新薬がジェネリックに切り替わる率を「置換率」といいますが、国は60パーセントを目指しています。これに満たない薬は、置換率が60パーセントになるまでどんどん段階を追って価格を下げていくのです。

もう特許が切れていて後発品が出ているにもかかわらず、置換が進んでいない古い薬に関しては、国はとても厳しい措置をとる姿勢を見せています。