保険診療と自由診療

イギリスの保険制度-ホームドクターなら医療費はほぼ無料!

イギリスでは健康保険という制度ではなく、国民保健サービス(NHS)という国営のサービス事業によって医療費が賄われています。基本的に医療費は無料で、イギリス人はもちろん、イギリスに住む外国人もサービスを受けることが可能です。


イギリスの病院は、無料だけれど待ち時間が長い?

イギリスの福祉対策として「ゆりかごから墓場まで」という言葉があります。誰もが一生涯、高い福祉を受けることのできる国を目指しているのです。

そのため医療費も税金によってほとんどが賄われています。一方で消費税率は20パーセントと、日本よりもかなり高くなっていますが、そのぶん医療費などの負担は少なく済みます。

イギリスでは「ホームドクター制度」を敷いており、各家庭にかかりつけ医(GP)が決められています。医療費が無料になるのは、かかりつけ医を受診した時のみです。もしも紹介状などなしに独断で他の病院にかかると、費用は全額自己負担になります。

またかかりつけ医を受診する際は、まず予約を入れる必要があります。今すぐ診てもらいたくても、予約がとれるのは数日後ということも珍しくありません。ですから実際はカゼ程度であれば、多くの人がドラッグストアなどを活用して治してしまうようです。 また病床数も日本と比べると少ないため、入院や手術までの待ち時間も長く発生してしまう問題もあります。

ちなみに医療費はすべて無料というわけではなく、たとえば歯科治療や処方薬の購入などは一部自己負担となっています。またNHSは、6ヶ月以上イギリスに合法的に滞在する外国人も加入することが可能です。


今すぐ診てもらいたい場合は、私立病院の受診を

このようにイギリスではほぼ無料で医療を受けることができますが、基本的にかかりつけ医しか受診できないこと、また待ち時間が長いことがネックだといえます。この点は3割負担であっても、日本のほうが自由度は高いといえるでしょう。

そんなイギリスでは、あえて自己負担で私立病院を受診する人もいます。私立ならお金さえ出せばすみやかに診察してもらえますし、公立と比べて医師や看護師の質が高い傾向にもあるようです。 また日本人の場合、日本人医師のいる私立病院もありますので、言葉の不安な人などはこちらのほうが安心かもしれません。 ただし自由診療の扱いになるため費用が高額になりがちな点がデメリットです。

このように日本にはない問題点もあるイギリスの医療制度ですが、実際は多くのイギリス国民がNHSのサービスについて満足と回答しているようです。かかりつけ医にかかる限り、医療費はほとんど無料ですし、それでは間に合わない場合に限り自己負担で私立病院に行けばいいということになります。 このようなシステムですと、自然とセルフメディケーションの意識も高まるのかもしれません。