保険診療と自由診療

「保険に加入しない」ことは可能?

国民皆保険制度が整っているはずの日本ですが、保険への未加入者は一定数いると思われます。特に失業などで会社の保険から外れた人が、そのまま国民健康保険への加入手続きをしないまま過ごしていることは多いものです。 これは厳密には違法行為であり、さかのぼって請求されることもありますので注意しましょう。


入っていないつもりが…

日本では、すべての国民が国民健康保険に加入する義務があります。よく勘違いされがちなのが、「国保の加入手続きをしなければいいのでは?」ということですが、実は会社を退職して社会保険から脱退した時点で、自動的に国保に加入していることになります。

要は生まれた瞬間から、すべての日本国民は国保に入っているのです。会社や公的機関に勤めている人は、特例としてそれぞれの勤め先の健康保険に移っているのであり、基本は国保です。 そのため、「加入していないんだから支払う必要ないじゃん」ということにはならず、「加入しているのに支払いを滞っている状態」になります。

未加入がバレてしまうと、以前の保険の脱退時からさかのぼって保険料を請求されることもあります。ただし実際は請求がくることはめったになく、しかも2年たつといわゆる「時効」扱いになるなど、制度がいまひとつ脆弱である点も、未加入者の増加を抑制できないことにつながっています。

しかしもっとも問題となるのは、何らかの事故や病気で医療機関にかかった時です。全額自己負担となってしまいますので、自分のためにも加入しておくほうが安心でしょう。


支払えない時は相談を

実際、保険料を支払っておらず保険証が手元にない人は、個人的に薬を手に入れることがあります。ネットでの個人輸入などもそうですし、一部では第三者が不当に手に入れた薬を闇で売りさばき、保険証のない人が購入している、といった問題も起きています。 おもに生活保護で医療費が無料となっている人の一部が、精神科などで睡眠薬や抗うつ薬をもらい、それを販売しているようです。もちろん明らかな違法行為です。

国保の保険料は自治体によっても異なりますが、一般的に低いとはいえず、しかも前年度の所得で計算されるため、今の時点で払える額ではないこともあるでしょう。どうしても支払いが苦しい場合は、書類を提出して減免してもらえる制度があります。 もっともよくないのは連絡なしで滞納し続けることです。最悪の場合、財産を差し押さえられる可能性もあります。

担当者に現状を訴えれば、何らかの代案を示してもらえますので、万一の病気や事故にあった時のためにも、かならず相談に行きましょう。