保険診療と自由診療

臓器移植にかかる費用とその対策

臓器移植にかかる費用は健康保険が適用されるといっても決して安いものではありません。 例えば、生体肝移植の場合、3割負担でも200~400万円かかると言われています。

合併症などで入院期間が延びればその分費用はかさみますし、退院後も通院や免疫抑制剤で月に3万円程度は必要とされています。


臓器移植の診療報酬点数は?

ドナー(臓器提供者)側には手術など費用の負担は一切ありません。すべてレシピエント側の医療費に合算されます。 その代わり報酬や謝礼もなく、加入している医療保険からの給付金もほとんどの場合受けられないということを承知しておきましょう。

臓器移植のためにはドナーから摘出するための費用、レシピエントに移植する費用の両方が必要です。 それに伴う各種検査費用や使用する薬剤、入院費などもかかりますが、こちらは入院期間によって変動します。

生体肝移植の場合、2014年度の改定によると手術料は「生体部分肝移植術」で145610点(死体臓器移植でも193060点)となっています。提供できるかどうかの判断材料となる組織適合性試験の費用も含まれていますが、1点=10円で計算するとこれだけでもかなりの額になることがわかるでしょう。


その他必要になる費用は

臓器移植コーディネーター(日本臓器移植ネットワーク)を通じた死体臓器移植には登録料30000円の他、移植手術が決定したら手数料100000円を支払わなくてはなりません。

入院費やそれに伴う身の回り品、食事代、差額ベッド代なども必要です。 これらを合算すると健康保険が適用されても経済的負担が大きい家庭がほとんどでしょう。

手術や入院をカバーする総合医療保険なども、退院後もしくは退院のめどが立ってからの申請となることが多いので、保険会社の担当者に確認しておくようにしましょう。


助成金や高額療養費制度を利用する

移植手術を受けたり、健康保険が適用されるかどうかはレシピエントの疾患によっても変わってきます。

肝臓を例に挙げると先天性胆道閉鎖症や先天性代謝性肝疾患などと定められています。診療報酬点数表に詳しく記載されていますので、気になる方は見てみるとよいでしょう。

また、臓器移植が検討されるようなレシピエントはすでに身体障害者の認定を受けていることが多いので、その分負担は軽減されます。

有効な治療法が確定していない難病や、一生治療を継続しなくてはならないような持病といった、国が定めた「特定疾病」の患者であれば、公的補助も受けられます。こちらは診断書を添えて都道府県の担当窓口に申請してください。

収入に応じて決められた自己負担額を超えた分に対して払い戻しが受けられる「高額療養費制度」や、確定申告で医療費控除を申請するなど、使える制度はいろいろあります。

あらかじめ「限度額適用認定証」を発行してもらっておけば、月々の支払いは自己負担限度額だけですむので、特に臓器移植のレシピエントには有効でしょう。

最近では医療費の支払いに現金だけでなくクレジットカードやデビットカードも使えるところも増えてきています。

こうした情報は意外と知らない人が多いもの。困った時は患者や家族だけで悩まず、治療を受けている医療機関、自分や被扶養者が加入する健康保険や市町村の担当窓口にどんどん相談しましょう。