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臓器移植-生体間移植-

臓器移植には亡くなったドナー(提供者)から臓器を摘出して行う方法(死体臓器移植)と、生きている状態で臓器の一部を取り出す生体間移植があります。

前者は日本臓器移植ネットワークに登録しなくてはなりませんが、生体間移植の場合その必要はありません。 ただし、どちらもドナーが不可欠であること、すぐに移植手術が受けられるわけではないという点では共通しています。


生体間移植を受けるには

生きているドナーから臓器を提供してもらう生体間移植は、心臓以外であれば死体臓器移植と同じように行うことができます。

肝臓や小腸は一部を切除しても残された部分が再び成長しますが、腎臓や膵臓、肺はドナーの生体機能も低下しますので、提供する側も健康状態に注意するべきでしょう。また、肺に限っては2人のドナーが必要とされています。

生体間移植を受けるためには、まずかかりつけ医(現在治療を受けている医療機関)で移植施設への紹介状を書いてもらい、改めて診察を受けることになります。

そこで他に改善・治癒の見込みがないと診断されれば移植手術の運びになりますが、もちろんドナーが決まっていなくてはなりません。


ドナーの基本は家族・血縁者

生体間移植の場合はドナーは6親等以内の親族および3親等以内の姻族に限られます。 もしこれに該当しない時は、各移植施設の判断に委ねられることになります。

血液型や臓器の状態、既往歴や基礎疾患の有無などを入念にチェックした上でドナーとして適合するかどうかが判断されますが、最終的には本人の意思が尊重されます。

つまり、例え親族でも拒否権はあるということ。 そして、もう一つ、報酬や謝礼が発生することではないので、代償の要求などももちろんできないという点。

実は生体間移植はこういった親族間の感情的な問題で難しくなることがあり、敢えて死亡臓器移植を希望するレシピエントもめずらしくないのだそうです。


移植と血液型

人間の血液型はABO式判定法によって大きく4つに分けられています。 この血液型は臓器移植においても重要なポイントとなります。

例えば、A型のドナーがB型のレシピエントに臓器を提供する場合を「血液型不適合移植」、レシピエントがAB型あら「血液型不一致移植」と言いますが、一見同じように見えますよね? しかし、血液型不適合移植は血液型不一致移植よりも困難であるケースが多いとされてきました。

これはA型とは「B型に対する抗体を持っている」血液型であり、B型の血清を混ぜたら赤血球の凝集が起こったということ。血液型の判定カードを見たことのある人ならお分かりかと思いますが、「抗A型」の部分が斑になっていましたよね。

B型ならこの逆、O型はどちらも凝集が起こらず、AB型は両方ともできてしまいます。血液が通わなければ臓器は死んでしまいますし、レシピエントの命にも関わるため、以前は臓器移植の際にもこの血液型に対する抗体を考慮する必要があったわけです。

近年では免疫抑制剤など拒否反応を極力抑える薬や処置方法が発達したため、血液型不一致移植と同程度の定着率になってきているそうです。


健康保険は適用される?

生体間移植についても、死亡臓器移植同様小腸以外の部位は健康保険が提供されています。 ただし、移植コーディネーターに支払う費用や臓器の移送費などは自己負担です。