保険診療と自由診療

海外ではジェネリックの活用が当たり前?

日本ではまだ普及率の低いジェネリック医薬品ですが、海外の先進国ではかなりのシェアを占めています。そこには医療保険制度の違いや、薬そのものに対する考え方の違いが横たわっています。 しかし日本でも国を挙げてジェネリック推進に励んでいますので、今後はますます主流となっていくことが予測されます。


海外のジェネリック事情

日本は世界の中でも、国民皆保険制度が充実している国です。いつでも予約なしで好きな病院にかかることができ、しかも3割(人によっては1割)負担で済む国は、世界中をみても非常に稀であることが分かります。海外から来た人が、日本の医療システムを素晴らしいと称賛するほどです。

たとえばアメリカでは、とにかく医療費が高いため、病院にかかるのはよほどの時です。風邪程度で簡単に受診する日本人は、彼らから見ると信じられないといわれます。基本的には市販薬を購入し、家で療養するのが普通です。 受診して薬を処方される時も、保険会社がジェネリック品を購入するよう指示していることがほとんどですし、アメリカ国民も「同じ成分で同じ効果だったら、安いほうにする」とごく自然に考えています。

それは医療費の高いアメリカだけではありません。医療費が実質無料のはずの北欧やカナダ、イギリスといった国々でも、ジェネリック医薬品の普及は進んでいます。むしろ税金ですべての医療費が賄われているからこそ、少しでも安いジェネリック品の活用が求められているといえるでしょう。

そんな国々では、ある薬の特許が切れた途端にさまざまなジェネリック品が一気に発売され、待っていましたとばかりに患者さんに購入されるのです。


日本で普及が進まない理由とは?

一方、日本のジェネリックはまだ全体の2~3割程度を占めるにとどまっており、半数以上のシェアを誇る海外と比べると明らかに遅れています。

まず、保険診療の薬はどんなものでも3割負担で買える点が大きいでしょう。生活習慣病の薬のように、長期間定期的に使用する薬であれば「節約」という概念がはたらくのですが、一時的な風邪などの場合、「少しでも安く!」とはなかなか思えないかもしれません。

また、先発薬に対するブランド意識も日本人は高いようです。「後発品は何となく信用できない」というものですね。さらに、その意識は医師たちの間でも大きく、ジェネリックへの切り替えを不可とする医師が一定数いることも、日本での普及を阻んでいます。

しかし日本におけるジェネリック品の検査基準は、世界から見ても厳しいほうです。国が推奨しているくらいですので、安心して活用してみましょう。