保険診療と自由診療

薬の個人輸入の危険性

保険適用されない治療では、薬も全額自己負担となってしまうため、特に継続的に使用する必要がある場合には薬代が高額になりがちです。そんな中、ネットを通した個人輸入で薬を購入する人も非常に多くなりました。 しかし個人輸入にはさまざまなリスクがありますので、「あくまで自己責任」と心得ましょう。


偽造品や粗悪品の可能性

個人輸入といっても、海外の医薬品メーカーから直接取り寄せる人はほぼいません。もっとも安心できる個人輸入は、医療機関を通して海外メーカーから送ってもらうことですが、ネットでは主に輸入代行の業者を介して手に入れることになります。

そのため、業者が信頼できるかどうかがポイントです。中には偽造品や粗悪品を扱っているところもありますので、注意しましょう。

偽造品の多さで有名な薬としては、ED治療薬があります。バイアグラやレビトラ、シアリスといったED治療薬は自由診療処方のため、正規に購入するとたしかに1錠1,000~1,500円くらいすることは確かです。しかしネットに出回っているものの半数以上が、有効成分が明らかに少ない偽造品であることが分かっています。中には不衛生な製造環境で作られたものもあり、重大な副作用につながる危険性があるのです。
参考→製造環境が悪い工場で作られる偽造品|バイアグラ個人輸入に潜む罠

ジェネリック品も同じです。日本ではまだ特許が切れていない薬のジェネリック品を、ネットではよく見かけます。インドなど、他の国では特許が切れていることもあるためですが、すべてが正規品とは限りません。見極める目が大切です。


処方を受けないことによる副作用

市販薬ならまだしも、本来は医師の処方を受ける必要のある薬をネットで手に入れることには、大きなリスクが伴います。処方薬は、市販薬と比べて効き目の強い薬が多いですし、他の薬との飲みあわせにも注意する必要があります。

これもED治療薬が良い例になります。バイアグラなどのED治療薬は、ニトログリセリンなどの「硝酸薬」との併用が禁忌とされています。実際、まだ日本で認可が下りていなかったころに、これを知らなかった人が興味本位でアメリカから個人輸入し、性行為中に死亡するという事故が数件起きました。

こういったことを考えても、個人的に薬を手に入れることは危険といえるでしょう。また個人輸入で購入した薬で、何か重大な副作用が起きたとしても、日本の公的な救済制度は活用することができません。厚生労働省が認可し、国内で正規に流通しているものではないからです。

安いというだけで安易に手を出すことは、安全のためにも控えましょう。