保険診療と自由診療

健康保険の仕組みをおさらい

何だか風邪っぽい、歯が痛い、ケガをした…こんな時、自分で手当てしたり市販の薬を飲んで何とかしようとする人もいますが、多くの場合は医療機関を受診しますよね。 その際、必ず持参しなくてはならないのが健康保険証。 日本は国民皆保険制度を採用しているため、どんな人でも何らかの公的保険に加入することが義務づけられています。

しかし、ほとんどの人はその仕組みについてよくわかっていないのではないでしょうか。


医療費はどのように決まる?

医療機関で診察を受けると、会計の際に診療内容の内訳を記載した領収書をもらえますよね。 それを見ると、「初診料」「再診料」「処置料」「処方料」などさまざまな項目があり、実施したものについて「○○点」となっているはずです。

この点数が医療費を算定する基準となる「診療報酬」。 日本のすべての医療行為には一つ一つ診療報酬点数が設定されており、これらの総合計から患者本人の負担額も決まってくるのです。 では、その点数はどのように決まっているのでしょうか?

診療報酬点数は2年に一度、厚生労働省によって告示されます。 例えば、2015年現在では、初診料が282点、再診料が72点(200床以下の病院の場合)となっています。

「熱っぽいな」と思って医療機関を受診すると、以前に来たことがある医療機関でもその疾患は初めてであれば初診扱いになり、まず282点が算定されます。

これには血圧測定や尿検査など簡単な検査も含まれますが、時間外や休日であれば所定の点数が上乗せされることになっています。

さらに血液検査やレントゲン撮影が必要になればそれぞれの点数、薬を処方されれば処方料と薬剤料が加算されます。

これらの合計が仮に1000点となったとすると、1点=10円ですから医療費の合計は10000円ということです。 しかし、本人の負担額は3割なので、窓口で支払うのは3000円でよいというわけ。

こう考えると、健康保険のありがたみがわかりますよね。 もう一つ、診療報酬点数制の利点として、全国どこの医療機関で診療を受けても料金は均一であるということが挙げられるでしょう。

入院料のみ、医療機関の規模や地域によって若干の差はありますが、初診料などは一律。会計時に予想以上の金額を請求されてビックリ…なんてことはないのです。


では残りは誰が払っている?

残りの7割は、「保険者」と呼ばれる健保組合や共済組合が請求に応じて支払っていますが、決して右から左と言うわけではありません。

医療機関と保険者の間には支払基金という組織が存在し、不正請求や医療費の未払いを防ぐために診療報酬請求明細書(通称レセプト)のチェックや医療機関への支払いを代行しています。

ここで医療機関から提出された診療報酬請求明細書の内容が詳細に点検され、適正であると認められて初めて医療費が支払われるのです。

こうした仕組みを知れば、保険料の未払いがどれだけ大きな問題に発展しかねないか想像できるのではないでしょうか?

「毎月の保険料が高すぎる…」という不満の声も聞かれますが、サラリーマンであれば保険料の半分は会社で負担してもらえますし、健康保険のおかげでいざという時に少ない負担額で適切な医療を受けられると思えば、ありがたい制度ですよね。